
こんな方におすすめ
- 炊いていないお米を保管する際に気を付けるべきポイントを知りたい方
- お米を長期間保管する場合の味や品質を損なわないような手段をお探しの方
新米の保管方法 | お米を虫やカビから守る
我が家では「ふるさと納税」を活用して、返礼品としてお米を毎年いただいています。
自治体や納税金額にもよりますが、家族で短期間で食べられない量をいただくこともあり、味を保つため・品質を守るためにどのように保管すれば良いか悩んでいました。
また、知り合いの実家がお米農家で、毎年ご厚意で、お米を産地から送って下さいます。
とても嬉しい贈り物なのですが、やはり短期間では食べきれない量で保管方法に悩みます。
同じような悩みを持っている方にお役に立てるような記事になれば嬉しいです。
米の長期保管で生じる3つのリスク

1.酸化による味の劣化
白米に残っている「米ぬか」は油分を含んでおり、この油分が酸化することによって味が劣化していくそうです。
ちなみに無洗米の場合は、「米ぬか」が除去されているので、通常のお米よりは酸化しにくく長期保存に向いています。
2.虫の発生
お米に発生する虫は2種類います。
コクゾウムシとメイガです。

3.カビの発生
適切に保管していない場合に、カビが発生する可能性が高まります。
カビは米の内部まで、繁殖していくため、そうなると洗っても除去することができません。
カビはお米を炊くことで熱により死滅してしまいますが、カビの毒素は残ったままなので、これを食してしまうと体調不良を引き起こす危険性があります。
お米の酸化対策
お米を空気と触れさせない対策が有効です。
密封容器に入れ替えたり、真空パックして保管することが推奨されます。
お米の虫対策
虫の活発になる気温とは?
これら、お米に集る虫たちは、20℃以上で発生し、23℃以上になると活動し、繁殖を始めるそうです。
しかし、15℃以下ではほとんど活動しませんので、寒い冬場などは虫の発生を防ぐには対策が楽かもしれません。
お米を入れる袋

上の画像のような、ビニール製のお米袋には、実は小さな穴が意図的に空けられていて密封状態ではないそうです。
この穴は、お米を保管・輸送・店舗陳列する際に、積んだときに袋の内部の空気を逃がして、袋が破裂しないようにする機能があります。
コクゾウムシなどのお米の虫はこの小さい穴を広げて侵入してくるケースもあるそうで注意が必要です。
なお薄手のビニール袋などに保管の場合は、虫が袋を突き破って侵入してくるため、お米用の袋や、密封容器などで保管する方が安心です。
お米のカビ対策
まずはカビ発生の条件を確認してみましょう。
カビの発生には、以下の4つの条件があります。
・温度…20〜30℃(25〜28℃で最も繁殖しやすくなる)
・湿度…70〜80%以上(80%以上で爆発的に繁殖)
・栄養…カビのエサとなる栄養分
・酸素…カビは微生物で生き物。虫などと同様、酸素がなければ生きられないこのうち、栄養となるお米や空気中に存在する酸素については家庭でコントロールできません。そのため、温度と湿度をコントロールすることが重要です。
引用元:ごはん彩々 お米にカビが生えるのはなぜ?カビが生えないようにする対処法もご紹介
上記からご家庭で対策をするとなれば、前述の虫の発生の観点からも、できれば15度以下の温度で保ち、湿度が高くならないような場所で保管することが望ましそうです。
お米を密封容器に入れて冷蔵庫で保管する
密封容器に入れて、冷蔵庫で保管することにより下の3つの対策が可能になります。
メリット
密封容器と冷蔵庫の電気代のコストのみで、新たに大きな出費が発生せずに済みます。
冷蔵庫で保管すれば直射日光も避けられますし、温度をある程度一定に保つことができるので劣化を遅らせることが可能です。
デメリットと注意点
冷蔵庫内は乾燥しているので、密封容器に入れないと、米の水分が抜けてしまう恐れがあります。
水分が抜けてしまうと、炊飯した際にパサついてしまい、美味しさが損なわれてしまいます。
また冷蔵庫で保管することによって、劣化を遅らせることはできますが、美味しくいただくためには、できるだけ早く消費した方が良いでしょう。
冷蔵庫内でお米を保管する場合にはスペースの問題もあるかと思います。
冷蔵庫に空きが無い場合は、次にご紹介する「米びつクーラー」や「真空パック製品」を活用するのもおすすめです。
保管用製品を活用する | 家庭用 米びつクーラー
温度管理をするために簡単な方法としては、家庭用の「米びつクーラー」を導入する方法もあります。
メリット
完全密閉なので、お米の酸化や害虫・カビの発生を防いでくれます。
白米でも保管可能です。
保管したお米は、1合、2合と排出したい分量をレバーを引くことにより取り出せます。
フィルターメンテナンスの時期をランプでお知らせしてくれる機能も搭載しており、清潔さを保てます。
冷蔵保存をすれば、1年間程度保存が可能だそうです。
デメリット
安価な製品でも2~3万円程度、平均して4~5万円程度の製品が多いでしょうか。
もちろんサイズや機能によっても異なりますが、それなりにサイズが大きくて良い機能の物をとなると、初期費用の負担が大きいですね。
もっと安価で対策できる方法を次のパラグラフでご紹介します。
保管用製品を活用する | ネルパック

ネルパックという製品があり、こちらを使うとお米を真空パックして保管することが可能です。
製品特徴
お米5kg用の袋が3枚入って1500円程度と、割と安価でお米の保管に一役買ってくれる製品です。
製品の特長ですが、袋内を無酸素状態にすることができ、お米の鮮度を保持して長期保存を可能にした保存袋です。
無酸素状態のため、お米の酸化を防ぎ、風味や美味しさを約1年間程度キープでき、コクゾウムシやメイガなどの害虫や、カビの発生を防げます。
使い方

STEP1
ハイバリアー袋から「エージレス」と「エージレス・アイ」を取り出す
▼ ▼ ▼
STEP2
ハイバリアー袋にお米を入れ、その後に「エージレス」と「エージレス・アイ」を袋に入れる
「エージレスアイ」は外から見える位置にセットして下さいとのこと。
▼ ▼ ▼
STEP3
お米を詰めたら、専用クリップでハイバリアー袋を完全密封

クリップする際は、袋の空気を外へ追い出しながら留める。
▼ ▼ ▼
STEP4
袋内の酸素を「エージレス」が吸収して、無酸素状態になる

使い方は、とても手軽で簡単ですね。
まとめ
お米はぬかの油分の酸化が原因で味を落としてしまいます。
長期保管の場合は、特に夏場など気温が上がるとコクゾウムシやメイガなどの虫が発生しますので、対策が必要です。
またカビの発生により、カビの産出した毒素を含んだ白米を食してしまうリスクが生じますので、高温多湿下での保管を避けましょう。
気温が15度以下になるような条件下で保管するか、例えば「ネルパック」のような製品を使うなどして、真空パック状態にして保管する方法が有効です。
私も「ふるさと納税」で、20kg~30kg程度、お米を返礼品としていただくこともあり、執筆時点では「ネルパック」を活用させていただいております。
今後もより美味しさと安全性を重視しつつ、手軽に行える保管方法を探していきたいと思います。