- カットしたアボカドを冷蔵庫で保管する場合、変色を防ぐ方法を知りたい方
- そもそもアボカドはどうして短時間で変色してしまうのか興味のある方
- アボカドの変色防止方法について効果を比較した写真を見たい方
アボカドが黒くなるのを防ぐ方法 | 変色防止対策
アボカドを半分にカットして、半分は食卓へ・もう半分は冷蔵庫で保管、、、で時間が経過して冷蔵庫を除くと、アボカドの鮮やかな薄緑色が黒っぽく変色。。。
食は見た目も大切。
なんとかきれいなアボカド本来の色を保つことができないものか、調べてみましたので、本記事に記していきます。
アボカドが変色する原因は?
アボカドが変色してしまう原因は、アボカドに含まれる「ポリフェノールオキシダーゼ」という酵素が空気に触れて酸素と結びつくことによる酸化です。
酸化することで、メラニン色素が組成され、黒っぽく変色してしまうそうです。
アボカドの変色を防ぐ根本的な対策は?
アボカドの酵素と空気が触れないような対策・保管方法や、酵素の機能を破壊してしまう方法を講じる必要があります。
変色を防ぐ具体的な方法7選
- ラップする方法
- オリーブオイルを塗る方法
- レモン汁をかける方法
- ポッカレモンをかける方法
- 塩水に浸ける方法
- 玉ねぎの上に置く方法
- レンジで温める方法
1.ラップして空気との接触を防ぐ
アボカドの切り口をサランラップなどでラッピングして空気に触れないようにし、酸化を防ぎます。
普通のご家庭で一般的にはこの方法が用いられるかと思います。
2.種を取らなければ空気に触れる表面積が小さくなる
アボカドの種を取らないで、そのままにしておけば切った半分の断面のうち、空気に接触する表面積が小さくなるため、種で隠れている部分は酸化を遅らせることができます。
3.切り口にオリーブオイルを塗る
アボカドの切り口に、オリーブオイルを塗布することで変色を防ぐ効果が期待できます。
オリーブオイルの主成分である、オレイン酸は不飽和脂肪酸の中では酸化されにくいという性質を持っています。
またオリーブオイルには、抗酸化成分のポリフェノールや、β-カロテンやビタミンEなどの抗酸化ビタミンが含まれているため、酸化に強い油です。
保管したアボカドをサラダで使う際など、オリーブオイルとマッチする料理で使う場合に、もってこいの方法ですね。
4.切り口にレモン果汁をかける
褐変(色が黒ずんでいくこと)の原因となる「ポリフェノールオキシダーゼ」ですが、リンゴにも含まれています。
リンゴもアボカドと同様に、カットして放置すると、だんだんと黒ずんでいきますよね。
実は市販のリンゴジュースは褐変しないんですよね。
この理由は、製品にビタミンCが添加されているからだそうです。
ビタミンCの方が先に酸素と反応するため、結果的にジュースと空気に触れさせないことと同義になります。
アボカドも同様にビタミンCを断面に塗布することで酸化を遅らせることが可能です。
アボカドの味を損なわずにご家庭で手軽に使えそうなものとして一般的なのは「レモン果汁」です。
「レモン果汁」は生の果実を絞った物、もしくは市販のレモン果汁製品でも、どちらでもOKです。
5.塩水に浸ける
アボカドを食塩水に浸けておく、もしくはカット面に塗布することで、変色を抑えます。
食塩水で変色を軽減できる理由は、食塩の成分がポリフェノール酸化酵素と結びつくことで、その働きを抑制、黒ずみを遅らせてくれます。
6.カットした玉ねぎと一緒に保管する
アボカドと一緒にカットした玉ねぎを容器などに入れて、冷蔵庫で保存する方法も有効です。
容器に入れる場合は空気が入らないような密封できる方が望ましいです。
玉ねぎには、アボカドの変色を防ぐ働きがある、「硫黄」成分が含まれています。
玉ねぎは、わざわざ、そのためにカットするのではなく、他のレシピのついでに残った切れ端を使えばOKです。
7.アボカドを電子レンジで温める
電子レンジでアボカドを温めて、褐変の原因酵素「ポリフェノールオキシダーゼ」を破壊する方法もあいます。
レンチンの時間目安は、500~600Wで約10~20秒程度です。
ラップせずにそのままレンジに入れて温めて構わないようです。
アボカドに含まれる酵素が壊れることで、空気に触れても化学反応が起こらずに変色を防ぐことができます。
効果が期待できない可能性がある方法
切り口に穀物酢を塗る
前述の通り、アボカドの変色を防ぐ方法としてはレモン汁を用いる方法がよく知られています。
もし、レモン汁を用意できない場合、穀物酢をアボカドの切り口に塗る方法を使ってらっしゃる方も多いようです。
ただ、レモン汁にはビタミンCが含まれており、酸化を防いでくれますが、穀物酢はレモンの代替として使えるわけではないようです。
Q:お酢を使うとアボカドの変色防止ができますか?
A:アボカドに穀物酢(お酢)をかけると黒く変色します。お酢の中の酢酸によって、アボカドが黒くなるのが促進されてしまいます。アボカドの変色防止にはクエン酸やビタミンCが効果があるようです。
ちなみに、アボカドにお酢を塗布すると、お酢の強い匂いによって風味も変化する可能性があるので、使用するレシピも狭まりますね。
8つの方法を比較したアボカド 変色防止実験
ここまでで紹介したアボカドの変色を防ぐ・軽減する方法を実際に自分自身で試してみました。
1つのアボカドを8つにカットし、下の8つの方法を試しました。
- ラップする方法
- オリーブオイルを塗る方法
- レモン汁をかける方法
- ポッカレモンをかける方法
- 塩水に浸ける方法
- 玉ねぎの上に置く方法
- レンジで温める方法
- 穀物酢をかける方法
アボカドの保管時間
8つの方法について、一定の時間放置して、変色具合を確認&写真を撮影しました。
- 6時間
- 12時間
- 18時間
- 24時間
- 36時間
- 48時間
- 72時間
アボカド変色防止実験 試してみた8つの方法
カットしたアボカドは写真のような容器に入れてフタをして冷蔵庫の野菜室に保管しました。
野菜室の温度は10度程度です。
アボカド変色防止実験で試した8つの方法について、詳細は以下の通りです。
1.ラップする方法
カットしたアボカドをサランラップで包んで、容器に入れて保管します。
2.オリーブオイルを塗る方法
アボカドの表面に「エクストラバージンオリーブオイル」を塗布しました。
3.レモン汁をかける方法
生レモンをカットして8分の1のサイズを1つ用意し、レモン汁をアボカドにかけました。
4.ポッカレモンをかける方法
生レモンとの差がどの程度でるのか個人的に興味があり、「ポッカレモン」をかけて実験してみました。
5.塩水に浸ける方法
水100mlあたり塩を小さじ1/3の濃度で塩水を作り、容器の中に塩水とアボカドを入れて浸け置きする状態にしました。
6.玉ねぎの上に置く方法
カットした玉ねぎを容器の中に入れ、その上にカットアボカドを乗せました。
特に玉ねぎでアボカド全体を包んだわけではなく、敷き詰めた玉ねぎの上に乗せただけなのがポイントです。
7.レンジで温める方法
レンジで温める方法については、850Wの電子レンジで10秒温めてみました。
よく500~600Wのレンジで10~20秒と紹介されているので、実験としては20秒だと温めすぎと考え、10秒にて試しました。
8.穀物酢をかける方法
お酢をかける方法は、前述の通り、アボカドの褐変を早めると、お酢メーカーのミツカンさんも紹介しています。
他サイトなどで「お酢をかけてアボカドの変色を防止できる」といった情報を見かけたことがあり、実際の結果がどうなるのか興味があり、試してみました。
実験に使用したのはミツカンさんの「穀物酢」です。
実験開始
上の写真は、実験開始直後のアボカドの状態です。
右下の「レンジ」と「穀物酢」の方法で対策したアボカドは他のアボカドに比べて、最初から黒い筋=維管束(いかんそく)が多くありますので、ご了承下さい。
容器にフタをして、冷蔵庫の野菜室へ保管して時間の経過を待ちます。
アボカド変色防止実験 8つの方法 ビフォーアフター ギャラリー
8種の方法 全体写真
全体的に結果を見た印象としては、以下のような特徴がありました。
- 明らかに「穀物酢をかける方法」は変色が激しい。
- 時間経過後に変色が進みにくいと感じたは「塩水に浸ける方法」「玉ねぎの上に乗せる方法」だった。
- 1日程度であれば「 レモン汁」「ポッカレモン」「 オリーブオイル」塗布方法でも変色を抑えられる。
1.ラップする方法
- ラップで保管した場合は割と早めに変色が始まる。
- ラップで保管した場合は1日程度経過すると、結構、黒くに変色してしまう。
- ラップの仕方によって効果が変わるかもしれない。
2.オリーブオイルを塗る方法
- オリーブオイルを塗った方法は6時間経過後の写真の通り、早めに変色が始まるようだ。
- 6時間経過後から72時間経過後まで、多少黒ずむが、大きく色が変化するわけではない。
- ポリ手袋をした上で、オイルをまんべんなくアボカド表面に塗った効果があるかもしれない。
3.レモン汁をかける方法
- 予想していたより早い段階で黒く変色が始まった。
- かけかたによるかもしれないが、「ポッカレモン」の方が変色防止効果が高いように見える。
- 塗り方によるかもしれないが、「 オリーブオイル」の方が変色防止効果が高そうに見える。
- 明らかに「穀物 酢をかける方法」よりは変色を抑えられる。
4.ポッカレモンをかける方法
- 他の方法と比べて72時間経過後も変色が抑えられた方だった。
- かけかたによるかもしれないが、「レモン汁」よりも「ポッカレモン」の方が変色防止効果が高いように見える。
- 明らかに「穀物酢をかける方法」よりは変色を抑えられる。
5.塩水に浸ける方法
- 変色防止効果が高く、36時間程度までは、あまり変色しなかった。
- 塩分濃度によって効果が変わるかもしれない。
6.玉ねぎの上に置く方法
- 変色防止効果が高く、24~36時間程度までは、あまり変色しなかった。
- 特に玉ねぎに接触している面や近い箇所は変色が少なかった。
- 玉ねぎから遠い面もある程度変色防止効果が期待できる。
7.レンジで温める方法
- 6時間経過程度で変色が起きているように見える。
- 電子レンジのワット数や温めの秒数によって効果が変わる可能性があるかも。
- アボカドの側面は72時間経過後も変色が少ないようにも見える。
8.穀物酢をかける方法
- 6時間経過程度で全体的に黒く変色を起こしてしまっている。
- 明らかに他の方法と比較して変色を促してしまうような効果に見える。
まとめ
アボカド変色防止対策の効果と手軽さを点数化
方法 | 変色防止効果 | 手軽さ |
---|---|---|
ラップを使う方法 | 3 | 4.5 |
オリーブオイルを塗る方法 | 3.5 | 4 |
レモン汁をかける方法 | 3.5 | 3 |
ポッカレモンをかける方法 | 4 | 3.5 |
塩水に浸ける方法 | 5 | 3 |
玉ねぎの上にのせる方法 | 5 | 2.5 |
レンジで温める方法 | 3 | 4.5 |
穀物酢をかける方法 | 1 | 4 |
変色防止効果が高い方法
実験の結果から、アボカド変色防止効果が高い方法は、「塩水に浸ける方法」「玉ねぎの上にのせる方法」と言えます。
次点で、「ポッカレモンをかける方法」「レモン汁をかける方法」「オリーブオイルを塗る方法」が続きます。
「ラップを使う方法」「電子レンジで温める方法」も一定の効果はありそうです。
逆に「穀物酢をかける方法」は褐変を促してしまい、すぐに黒色に変化が始まるため変色防止には向いていなさそうです。
手軽に実践できる方法
一番手軽にできるのは、「ラップを使う方法」「電子レンジで温める方法」かもしれませんね。
変色防止効果の高い「塩水に浸ける方法」「玉ねぎの上にのせる方法」は実施するまでの手間があるのが懸念点ですね。
変色防止効果と手軽さを兼ね備えているのは、「ポッカレモンをかける方法」「レモン汁をかける方法」「オリーブオイルを塗る方法」あたりかと思います。
変色防止対策のコンボ技
手軽さの点数が高い方法をいくつか組み合わせて、効果を高める方法もオススメです。
具体的に例えば、「種を取らない」+「電子レンジでチン」+「ラップをする」の3連コンボです。
「電子レンジでチン」する際は、アボカドにラップをせずに、皮が下についているのでお皿に乗せないで、そのまま温めることができます。
電子レンジで温めたら予熱を取りラップして冷蔵庫へ移動させます。
あまり手間もかからず、物の準備もラップだけで済むので、楽にできるアボカド変色防止対策ですね。
アボカドを使う料理に合わせて
カットしたアボカドをオリーブオイルに合うような料理で使う場合は、「オリーブオイル塗布の方法」も効率が良いですね。
アボカドをサラダに使う場合は、「オリーブオイル塗布の方法」はもちろん、「塩水に浸ける方法」「レモン汁をかける方法」もサラダの味付けや風味付けにもなるので、効率的です。
新玉ねぎを使ったサラダを作る場合は、玉ねぎとカットアボカドを一緒にしておけば、変色を抑えることができますね。
穀物酢は褐変を促します
穀物酢など「お酢をかける方法」はアボカドの変色を促してしまい、黒色への変色が早まってしまいます。
変色防止対策の方法としては、「お酢をかける方法」は避けた方が良さそうです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
いろいろな方法を試しながら、ご家庭にマッチした最善策をご活用下さい!
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